ポータブルゲーミングPCを修理するなら

2025.06.18

今回は画面が映らないポータブルゲーミングPC修理を解説します。

画面が映らないSteam Deckの修理

画面が映らなくなったゲーミングPC「Steam Deck」の修理です。

Steam Deckは「UMPC（ウルトラモバイルパソコン）」などと呼ばれるタイプで、Nintendo Switchに似た見た目の携帯型ゲーミングPCです。ただし、普通のパソコンとは違いSteamOSという専用のシンプルなOS（基本ソフト）が使われています。
この機種は新品だと高価ですが、今回は画面が映らない状態のものを修理に挑戦しました。

なお、Steam OSは現在、無料で配布されています。Steam OSが求める最低要件を満たしていれば、普通のパソコンにもSteam OSをインストールし、ゲームプレイ用として活用できる場合があります。こうした事情から、近年はポータブルゲーミングPCがますます注目され、人気となっているようです。

修理するSteam Deckの状態をチェック

まず、対象となるSteam Deckの状態を確認しました。
今回は電源を入れても画面が映らないとのことなので早速チェック。
電源を入れるとバッテリーのランプが光り、振動も伝わります。ただ、画面にはやはり何も映らず、バッテリーも不安定な様子でした。
そこで、HDMI変換アダプタを使い、外部モニターに映してみると…「デバイスが見つかりません」と表示され、内部の起動自体はできている様子。
この段階では、問題は「画面・SSD・バッテリー」のどれかに故障がありそうと感じました。

修理の流れ：実際にやったこと

1. ケーブル交換

まずはディスプレイケーブルの交換を試してみました。
手元にあった予備ケーブルとディスプレイパネルに差し替えてみることに。
ただし、ケーブル交換だけでは画面が映らず、バックライトがうっすら光るだけで、映像は何も出ませんでした。

2. ディスプレイごと交換

次に、ディスプレイパネル自体も交換しました。
すると、正常に画面が表示されるようになりました。
やはり、ケーブルもパネルも両方壊れていたようです。

3. SSDの装着・OSの再インストール

続いて、新しい小型のSSDを装着。Steam DeckはSSDとOSがないと起動しません。
そのままUSBメモリを使い、公式サイトからSteamOSをダウンロード＆インストール。
無事にOSも立ち上がり、Steamのゲームも普通に遊べるようになりました。

ポータブルゲーミングPC修理のコツ・注意点

今回のPC修理で感じたポイントや注意点をまとめます。

分解はネジさえ外せば簡単にできるが、内部ケーブルやコネクタはとても繊細。無理に引っ張ると断線しやすい
特にバッテリーが繋がったままの状態で作業すると、ショート（配線が一時的に接触して壊れること）のリスクが高い。
慣れない人が修理をしてディスプレイケーブルやコネクタが壊れると、パネル交換だけで直らなくなり、被害が拡大する場合もある。
ポータブルゲーミングPC修理の際は、金属工具は極力使わず、プラスチック製ヘラなど傷つきにくい道具を使うと安心。
OSインストールも意外と簡単。公式ページからイメージをダウンロードしてUSBで書き込むだけ。他の端末からデータを移行（お引越し）する場合はソフトやデータの種類によって移動作業が変わるので注意。

また、パソコン修理店では、ゲーミングパソコン修理やOS再インストール、データ移行などもまとめて依頼可能です。特にOSの再インストールや新しいSSDへの付け替え、データの移行は経験者でないと難しいことが多いので、自分での作業が不安な場合は修理店に相談してみると安心です。

まとめ：修理で無事に復旧

最終的に今回の修理は在庫パーツを使用して、画面が映らなかったSteam Deckが正常に動作するようになりました。

携帯型ゲーミングPCは、普通のノートパソコンと違って分解・修理も比較的しやすいです。
ただし、壊れている内容によっては、修理難易度が一気に上がる場合もあります。修理にチャレンジする際は「何が壊れているか」をよく確認し、自己責任で行うことがポイントです。

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