新作MacBook Proがタッチ対応に!

Appleが、画面を指で操作できるMacBook Proを初めて発表。日本は11月6日発売。Apple共同創業者スティーブ・ジョブズが、タッチ操作は腕が疲れるとして退けたのに、なぜ今になって採用したのでしょうか。

Appleが選んだのは、キーボードとトラックパッドを使いながら、指のほうが早い場面だけ画面に触れる使い方。新しい有機EL画面と本体の設計、制作アプリの対応がいよいよそろった。

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ジョブズが問題にしたのは、画面に腕を伸ばし続けること

2010年10月、Appleの発表会「Back to the Mac」で、ジョブズは立てた画面に手を伸ばし続けると、腕が疲れると説明しました。Appleは実際にユーザーテストも行い、Macでは手元のトラックパッドで複数の指を使う操作を選びました。

この方針はその後も続きます。2016年に登場したMacBook Proの「Touch Bar」は、キーボードのすぐ上に置いた細長いタッチ画面。当時のマーケティング責任者フィル・シラーは、Macの小さなメニューやボタンは、カーソルで正確に選ぶことを前提にしているとも説明していました。腕の疲れと、指での押しづらさ。 この二つが、画面へのタッチを見送ってきた理由です。

なぜ今? 薄さと軽さを保てるようになり、制作での使い道も見えてきた

Appleのジョン・ターナスCEOは、タッチを加えても本体が厚く、重くならないことを重視していたと話しています。
そこで転機になったのが、新しい有機EL画面。発光する層を二つ重ねるタンデムOLEDを採用し、タッチセンサーをパネルに直接組み込みました。タッチに対応しながら、14インチと16インチの両方で従来より薄く、軽くなっています。

使う人の習慣も変わりました。Appleのグレッグ・ジョズウィアック氏によると、iPhoneやiPadで画面に触れる操作に慣れ、Macでも同じように操作したいと考えるクリエイターがいます。写真を指で拡大したり、3Dモデルをその場で回したりするだけなら、手を伸ばすのは数秒。ジョブズが指摘した腕の疲れは今も残りますが、必要なときだけ触れるなら、便利さが上回る場面はあります。

最初に上位のMacBook Proを選んだのは、指で触れるメリットを、映像や音楽などの具体的な作業で示せるからだと見ています。同じM5 Pro・M5 Maxでも、従来の画面を選べるようにしている点もヒント。高画質な画面を求める人に向けた大きな刷新に合わせて、タッチを導入したと考えると自然です。

Surface Laptopなど、画面を触って使えるWindows機が先にあったことも背景の一つ。乗り換えを考える人の選択肢にはなりますが、Apple自身が今回強調したのは、薄さや軽さを保ち、制作作業で役立つ形にできたことです。

タッチ対応は「PROLED XDR」搭載の14・16インチ。M6モデルは対象外

見分けるポイントはチップ名よりディスプレイ名。今回タッチに対応するのは、「PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro」の4つの組み合わせです。日本では10月29日に予約が始まり、11月6日に発売されます。

画面サイズM5 ProM5 Max
14インチ49万9,800円〜76万9,800円〜
16インチ59万9,800円〜82万9,800円〜

価格はApple発表の税込価格。同時期に発表された14インチのM6モデルは33万9,800円からで、画面はタッチ非対応の「Liquid Retina XDR」。同じM5 Pro・M5 MaxにもLiquid Retina XDR搭載モデルがあるので、注文時は「PROLED XDR」の表記を確認しましょう。

PROLED XDRでは、ミニLEDの従来画面に比べ、明るいものの周りに出る光のにじみを抑え、黒をより深く表現できます。HDRのピーク輝度は1,600ニトから2,000ニトに、コントラスト比は100万対1から1,000万対1に向上。P3に加えてAdobe RGBにも対応。印刷する写真の色を調整したり、HDR映像の明暗を確かめたりする人には、画面の進化そのものが選ぶ理由になります。

画面の揺れ、指紋、小さなボタンにはどう対策した?

  • 画面の揺れ。 開閉部分のヒンジを再設計して、指で押したときの揺れを抑えます。ビデオ通話中は、カメラ映像の揺れもリアルタイムで補正します。
  • 指紋と映り込み。 画面には指紋がつきにくいコーティングを採用。照明などの映り込みが気になる場合は、反射をさらに抑えるNano-textureガラスも選べます。こちらには専用クロスが付属します。
  • 小さなボタン。 メニューバーやウインドウを閉じるボタンなど、一部の操作部分はタッチに反応して大きくなります。スクロールは指1本、右クリックにあたるメニューは長押し。項目を移動するときは、長押ししてから指を動かします。

Apple Pencilは非対応で、画面を折り返してタブレットにする機構もありません。短い操作は指で済ませ、長い作業や細かな選択にはキーボードとトラックパッドを使う。この使い分けなら、腕を持ち上げたまま作業する時間も減らせます。

発表直後の反応は「指で触れると便利」と「トラックパッドで十分」

発表直後のXの返信や海外のMac系掲示板で繰り返し見かけたのは、トラックパッドで間に合う、腕が疲れそう、指紋や画面の揺れが気になるという声。デモを見て、小さいアイコンはカーソルのほうが早そうと感じた人もいます。日本の実機Q&Aにも、揺れやApple Pencil対応を尋ねる質問が寄せられました。

一方、iPadを使ったあとにMacの画面にもつい触ってしまう人や、使いたいときだけタッチを選べるなら歓迎という人も。ペンで描きたい人からは、Apple Pencil対応を求める声がありました。発売前の投稿を見た範囲でも、普段の操作や作業環境によって欲しい機能は分かれています。

タッチ機能が受け入れられるのか?【鍵は指での便利操作が増えるかどうか】

macOSは画面のタップをクリックに置き換えるので、既存アプリの多くで基本操作ができます。さらにAppleは、複数の指での操作などをアプリに組み込むための開発資料も公開。Canva、Notion、Adobe Lightroom、DaVinci Resolveなども、タッチを活用できるアプリとして挙げています。新設された画面上部のDynamic Islandでは、再生中の音楽をタップで一時停止するような短い操作もできます。


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