「安物買いの銭失い」を防げ!プロが教える“壊れにくいPC”の選び方

パソコンを購入するとき、誰もが「できるだけ安く、でも快適に使いたい」と考えます。最近では中古PC市場が拡大し、2万円台〜4万円台の格安ノートPCも増え、「新品じゃなくても十分」と感じる人も多いでしょう。しかし、修理メーカーの視点で見ると、安さだけで選んだ結果「3ヶ月で動かなくなった」「修理したら新品より高くついた」というケースが非常に多く、安い買い物ほどリスクが潜んでいます。
今回は修理現場のデータと経験から、「中古PC」「格安PC」「新品PC」それぞれのメリット・デメリットを徹底解説し、修理のプロが“本当におすすめできる選び方を紹介します。
中古PCは“選び方”さえ間違えなければ最もコスパが高い
中古PCは「当たり外れが大きい」という印象が強いですが、実は修理現場では“中古PCの方が新品より壊れにくい”というケースも多くあります。
その理由は、壊れにくさを意識して作られている**法人向けモデル(ビジネスノート)**が中古市場に多く流れてくるからです。
【中古で買うならこの条件を満たしていれば安心】
• ビジネスモデル(ThinkPad、Latitude、EliteBook、LIFEBOOK Uなど)
• CPUは第8世代以降(2019年〜)
• ストレージがSSDに換装済み
• メモリ8GB以上
• バッテリー容量80%以上
• 中古専門店の“整備済み品”(整備済み品とは、動作確認やクリーニング、必要に応じたパーツ交換(バッテリー・SSDなど)を経て、再販売される中古PCのことです。中古PC専門店では一定の基準を満たした製品に数ヶ月の保証を付けて販売している場合も多く、一般的な中古よりも安心して使えます)
法人モデルは、一般向けよりもヒンジ強度・筐体剛性・冷却性能が高く、修理案件の発生率が2分の1以下というデータもあります。
どこで買うのが安全?
信頼できる中古PC専門店(実店舗・ネット通販含む)を利用するのが基本です。例としては、リファービッシュ(再整備)品を扱う業者、企業向けリースアップPCを整備して販売している店舗など。フリマサイトや個人売買では整備や保証がないため、初心者にはおすすめできません。
逆に、家電量販店で“ただ安いだけ”の中古を買うのは危険です。バッテリー劣化・ストレージ故障・内部の熱ダメージなど「外から見えない問題」が多く潜んでいます。
格安PCは“用途を割り切れれば”悪くないが、過信は禁物
近年増えている2〜4万円台の格安ノートPC。Office作業・ネット閲覧中心なら使えますが、修理現場ではトラブルの相談が非常に多いジャンルです。
【格安PCの主な弱点】
- 低性能CPU(Celeron、Nシリーズ)は処理が極端に遅い
- メモリが4GB固定で増設不可
- eMMCの故障率が高く、突然起動しなくなる
- ファンレス設計が多く熱がこもりやすい
- パーツ交換がほぼできず“修理不能”になるケースも多数
特にeMMC故障は修理現場でも多発しており、「写真を保存していたのに全部読めなくなった」「半年で起動不能になった」という相談は本当に多いです。
つまり、格安PCは“最低限の作業しか想定していないPCを、最低限の用途で使う人向け”というのが現場の本音です。
新品PCはサポート期間・部品寿命の点で最も安心
修理メーカーの目線で見ると、新品PCは“長く使う予定の人には最も安全”です。
【新品が強い理由】
- バッテリーが新品で劣化がゼロ
- ストレージの総書き換え量が少なく寿命が長い
- 最新OSのサポート期間が長い
- 部品供給が安定しており修理しやすい
特にOSサポートは重要で、Windows 10のサポート終了(2025年)では、多くの中古PCユーザーが“買い替えを強制”されました。安定性とサポートを重視するなら、新品はやはり強いのです。
修理現場の本音ランキング——「買って後悔しないPCはこれ!」
1位:新品 × 法人モデル(ビジネスノート)
耐久性・冷却・修理対応・総合力が最強。5年以上使う前提ならこれ一択。
2位:整備済み中古 × 法人モデル
価格と品質のバランスが最強。修理データ的には“壊れにくさトップクラス”。
3位:新品の一般向けPC(7〜12万円帯)
コスパが高く、一般用途なら必要十分。2〜4年で買い替える人向け。
4位:格安新品PC(2〜4万円)
割り切ればアリ。ただし寿命は短い。Web会議や動画編集には不向き。
5位:無名ブランドの格安PC
故障率・初期不良率が圧倒的に高い。修理不能も多く、総じておすすめできない
